ナンパでの出会いが一番男らしい行為という件

出会い系は、「出会い系」というだけあって、ほんとによく出会える。


ペアーズやタップルのような流行りのマッチングアプリを使い、攻略サイトで勉強して出会い系に挑めば、だいたいの人は会うことができると思っている。


他の出会い系も試して見たが、回転が悪かった。やはり、この二つが飛び抜けている。


年齢が行き過ぎていたり、顔写真がひどい人は回転率は下がるだろうが、今の時代の恋活、婚活は、出会い系しかないと思って差し支えない。


学校や職場で出会いがあればそれでいいが、なかなかに厳しい。


人間は匿名性が高い方が積極的になれる。部下や上司、同僚が見てる前で、他部署の女の子に声をかけるのは恥ずかしい。仕事できないくせに、いっちょ前に女を求めてるって顔をされそうで嫌だ。仮に声をかけたくなる女の子が社内に3人いたとしても、その3人とうまくいかなかった時点で、恋愛においてはその会社に在籍している意味はなくなる。


そうなってくると、出会い系とナンパぐらいしかなくなる。相席飲み屋や街コンもあるが、これも出会い系の効率を悪くしただけで、広い範囲で出会い系に含まれる。


ナンパに関してはどうだろうか。ストリートナンパ。素晴らしい。とても男らしい行為だ。若者だったら咳して寝込んでいる親を蹴飛ばしてでもナンパに行く必要があるが、30を越えてくるとどうだろう。年齢を気にして何かを諦めるのはあまり好きじゃないが、なかなか厳しいものがある。


実際、俺もたくさんナンパしてきたが、もう、今は、ダメだ。指一本動かない。10代の子に声をかけるのはつらい。断られるのがつらいのももちろんだが、社会にゴミを撒き散らしている気分になってくる。NHKの訪問契約をしている気分になる。


といっても、若い頃からナンパをしてきたが、上手くいったことは2回だけだ。200人ぐらいに声をかけて2回成功しただけなので、とても効率が悪い。俺のナンパの技術が未熟だったことは否めないが、今の時代はもっと効率のいい方法がいくらでもあるので、わざわざナンパをする必要はないかもしれない。


ナンパブログを見ていると、100人切り達成とか、出会って30分でホテルに行ったとか、なかなかの戦勝記が記されている。街を歩いている女の子の中には、虚ろな目で、楽しいことはないかな、私の人生、これでいいのかな、愛がほしい、愛が……と彷徨っている子がほとんどで、そんな子の中には、ナンパについていってしまうこともあるだろう。


だが、ナンパは不潔な感じがするので、反射的に拒否してしまう人がほとんどだ。この不潔なイメージさえなくなれば、どうにかなるのだが。


ナンパも時と場所と人による。スーツを着て、綺麗な目をして、爽やかな笑顔で、いい天気ですね、と声をかけられたら、悪くないような気がする。だが、やはり、帰り道の暗い駅や、人気の少ない住宅街は変な空気になるし、人がひしめき合ってる繁華街も何か違う。みんながスポーツしているような大きな森林公園だと、なかなかいいかもしれない。生活をしていれば、今なら声をかけても怪しくない感じだ! と思えるときがある。そのときはナンパしなくてはならない。でないと卑怯な人間になる。実際、俺はやっているのか? と問われると、やってない。いつも汚い格好して歩いているので、声をかけられない。もし綺麗な格好してたらやっていたと思うが。


ナンパほど素晴らしい文化はない思う。「チャライ」「軽い」と思われるかもしれないが、いいと思った異性に声をかけるという単純な事実があるだけだ。イタリアとかだと平気でナンパするらしい。出会い系なんてやる人間は、ナンパする度胸がないからやっている。ナンパは、一番原始的でわかりやすくて手っ取り早くてお金もかからない。本当の意味でいうなら一番純粋で、一番効率がいい。


いきなりを声かけると不審がられる世の中だ。なかなかナンパの素晴らしさを理解してもらえない。ナンパするのは悪い人間だと思っている。街を歩いている人は他人だから、絶対に話しかけてはいけませんなんて世の中は間違っている。


学校や会社から出れば、これだけたくさんの人間が溢れているのに、どうして規制されなければならないのか。たとえ刃物を振り回したり、自動車で歩行者天国を暴走する輩がいたとしても、自分の生活の外にいるという理由で人間を差別してはならない。


出会いがない、出会いがないと頭を抱えている女性は少なくない。街に出ればたくさんの異性が溢れているではないか、出会いがないわけがない。女性の中に、声をかけられるのを待っている人がいる。今日は化粧ののりがいいし、何気なく試して見たコーディネートが抜群だ。今日は人生一番の私かもしれない、そんな日を、友達とデニーズで抹茶白玉パルフェを食べて、帰りにクリエイトで化粧落としを買って帰って終わらせていいわけがない。そんなことは毎度となく繰り返されており、今に始まったことではないと思うかもしれないが、確実の心の奥底で消化不良のカスが溜まる。そして病気になる。愛に彷徨う亡霊になる。健康のためにも、男も女も勇気を出さなければならない。人生のすべての問題は、勇気の欠如からきている。


これから世の中は、どんどん街にいる人間と交流を持たなくなっていくだろう。その反動で、ネット上では一笑に伏すようなコミュニケーションが加速していく。

マッチングアプリは歯が痛くなったら歯医者に行くのと変わらなくなる。結婚したといえば、おー! どこのアプリ? なんてことになるだろう。そう、遠くない未来だ。


俺は現実よりも理想を愛するので、やはりナンパの方がいいと思う。みんなが街で気になった異性と交流をもてるような世の中作りが必要だ。


まずできることは、今、この瞬間なら話しかけてもおかしくない感じだというシチュエーションに至ったら、臆さず話しかけてみることだ。