「週に2日だけ働いて6万円以内で生活する」に友達が興味持ってるけど踏み出せない件 2

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友「お前の言うとおり、好きなことをして生きるといっても何をしていいかわからない」

しまるこ「まぁそうだろうね。俺だってよくわかってない。今もひたすらもがいている。とにかく何でもやってみることだ」

友「何でもって言われてもなぁ……」

しまるこ「やりたいことよりも、今すぐ簡単にできることをやるべきだよ。何か夢を見たりとてつもないことをやろうとすると、それについて一生懸命考えて、考えて考えたあげく何もしないということになる。俺も10年以上そんな時間を過ごしてしまった」

しまるこ「ゲーテも言っている。『何をなすべきか、いかになすべきか、のみ考えていたら、何もしないうちにどれだけ多くの歳月が経ってしまうことだろう』とね」

しまるこ「モーツァルトも言っている。『望みは持ちましょう。だけど持ちすぎてはいけまん』とね」

友「例に挙げる人がまたすごいな」

しまるこ「人間、今できることをやればいいんだ。というか、それしかできない。簡単に手早くすぐに行動に移れることだけをやってればいいんだ。それが物事を継続させるコツだよ」

しまるこ「俺はブログを書いてるけど、別にブログじゃなくてもいい。お前は芸人を目指してたぐらいだから、コントをやればいいんだ。毎日ひたすら1分か2分のコントを作ってYouTubeにアップすればいい。最初は絶対に人気なんか出ない。1年2年続けても果たして収益が発生するかどうかだと思うけど、そんなことを繰り返してれば芸もマシになってくるよ」

友「コントって言われてもなぁ。サンドウィッチマンみたいなの作れるわけでもないしなぁ」

しまるこ「素人が熱心にコントやってる動画なんて面白いじゃん。すべらない話でも一発芸でも大喜利でもいい。身近にあったことを話すだけでもいい。それがお前の一番の関心ごとならそれをやればいいんだ。週に2日だけリハビリのアルバイトして、残りの5日はコント作ればいいんだ。理学療法士ならそこらのアルバイトより高給だろう。訪問リハビリなら1日で2万は稼げるよ」

しまるこ「ん? まてよ? 1日2万ということは、週2日働いたら月給で16万稼げるぞ? 16万貰いながらコント作って生活できたら最高じゃん、それでいいじゃん」

友「一度夢に破れた身だからね。芸人やめるときに誓ったんだ。もう俺の人生は終わった。後は手堅い資格を取って大人しく社会に隷属して働くとね。そして理学療法士の資格を取ったんだ。後は他人の成果物を味わい倒して生きていくだけだ。そんな人生を送っていく覚悟を決めたんだよ」

しまるこ「でもそれができなかったから、こうして俺に相談してきてるんだろう? 結局仕事は割り切れるもんじゃない。仕事だけがすべてなんだ。適職に就かなければ一生苦しみから抜け出せられないんだ」

友「ろくに稼いでないくせによく言うぜ」

しまるこ「じゃあ、ここからは建設的な話に向かおう。みんな当たり前にできていることが自分の天分ということに気づかない。当たり前に簡単に出来すぎて自然に思ってしまうんだ。うちの親もやばいよ? 1食の料理を作るのに3時間も4時間も作って、写真に収めたくなる料理を毎日のように作るけど、自分ではまったく凄いことだと思ってない。この料理を毎回YouTubeにアップしてたら今頃相当な収益になっていたと思うけどね。でも面倒臭いと言ってやらない。みんなそうだ」

友「まぁ、お前んとこのお母さんはやばいね」
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しまるこ「耕作がいるよな? 耕作は33歳の155センチのチビだというのに出会い系で女を死ぬほど大量収穫してるよな? 俺はあいつがモテるノウハウやLINEや電話のやり取りをブログやYouTubeに公開したら、すぐに人気になると思うけどね。でも耕作もそれがすごいことだと思っちゃいない。ただ女の甘い蜜を味わうことに終始している。こういうのは自分じゃ気づかないことなんだよ。だけど俺はお前の天分に気づいてるよ。お前はコントをやるべきだ」

友「…………」

しまるこ「手塚治虫の漫画入門の方を読んだけど、これはなかなか面白いね。どこかの誰かが書いたかわからないような漫画入門本が蔓延っている中、やはりこういうのは大御所が書いたものを読むに限る」

しまるこ「この本をなぜ読んだかと言うと、手塚治虫がどうやって大量生産を可能にしたのか、その創作のヒントを見つけたかったからなんだ。読む前から俺の方では予想をつけていたけど、やはりその通りだった。手塚治虫の大量生産の基礎となった部分は以下の通りだ」

・スクリーントーンを使わない。
・背景は誰がどこにいればいいかわかればいい。あまり書き込まない。
・日頃からよくメモをとっておきストックを用意しておく。
・資料は確認するけど、基本的にアタマの中にあるものをそのまま描けるようにしておく
・自分のよく知っている精通した題材を選ぶ

しまるこ「このように、やることとやらないことをはっきりさせている。今の多くの漫画はやたらと装飾や描き込みにこだわってごちゃごちゃしていて、見にくいし画面も冷たい感じがする。鳥山明も非常に速筆だったというね。他の仕事でいそがしくて、ドラゴンボール自体は2日で仕上げていたという。高橋留美子もそうだ。そういう人達は画面があっさりしている。あっさりしているのに必要なものはちゃんと書かれている。それでいて下手に描き込んでいる漫画よりもずっと見やすくて落ち着く」

友「うん……? うん」

しまるこ「トップブロガーで今ではYoutuberでのイケハヤさんも、この人は1日に3本も4本も記事や動画を生産する。そのやり方としては、その時その瞬間に思ったものだけを書いたり話して、無編集で放り投げている。メンタリストDaigoも同じ手法を取ってるね」

『僕は基本的に環境やスタイルを先に整えてしまうんです。自分がいかに楽に早く効率的にできるか、さっと手をつけてさっと完了させられること、そのシステムを作りさえすれば気が楽なので、どんどん更新が出来るんです』

しまるこ「世の中で大量生産を可能にしている人達は、大体こんな考えでやっている。自分の中で面倒臭いことをはっきりさせて、面倒臭い部分を全て取り除いてしまうんだ。鳥山明も面倒臭いから町をすべて破壊させて荒野にさせたり、スーパーサイヤ人になって頭を金髪にさせてベタ塗りから解放されようとしたんだ。逆に、そういう風に面倒臭さを外していかないと、その仕事量に辟易して自分の方からやめてしまうんだ。これが物事を続けられる人と続けられない人の差なんだ」

しまるこ「例えば俺はブログを350本ぐらい書いてるけど、なんとかこうして続けられているのは楽をしているからなんだ。楽しいからやってるわけじゃない。気楽にできるからやってるだけだ。その時思ったり感じたことを音声入力でメモしておいて、それを後で組み合わせるという方法をとっている。何もない状態から『さぁ、記事を書くぞ!』と思っても、うんうんパソコンの前で唸るだけで書けるもんじゃない。最近じゃキーボードすら叩くのも億劫になってしまった。考えるのも億劫になってしまった。日々の生活の中で頭に降り立った思想を、その瞬間に音声入力でメモしているだけだから苦労がないんだ。そして俺はこうしてお前と電話した後、このお前との会話を大体記事にしている。話した直後だったら、何を話したか全て覚えているから熱が冷めないうちにさっさと書くようにしているんだ」

友「ふーん。マメだね。読まれんの? そんなの」

しまるこ「読まれるように細工するのさ。そして、そんなことを続けた結果、収益が出たらそれにこしたことはないし、収益が発生しなかったとしても大して損はないだろう。大して苦労してないんだから」

友「いやいや、お前は仕事を辞めてそれをやっているわけで、その時間を普通の仕事に費してたらちゃんと給料貰えたはずじゃん」

しまるこ「まぁ、このままろくに稼げなかったらそういうことになるね。だけどお前は違う。お前は働きながらでもできるんだ。まぁ俺もこれだけ楽だと言っているわけだから働きながらできるんだけど(笑)。まぁ、そこらへんはその人の度胸と相談してやればいい」

友「俺はやるんだったら働きながらじゃないとやらないね。ちゃんと成功できる保証があれば別だけど。お前のその理論は危険すぎる。多くのクリエイター達は誰かを楽しませるために身を粉にして創ってるんだと思う。お前は自分の労力を減らして手数を増やすことばかり考えてるけど、人から認められる作品というのは、そんな態度で創れるもんじゃないと思うけどね。実際そんなやり方をしているから全然稼げないんじゃないの? NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』で宮崎駿が『本当に大事なことは面倒くさい、面倒くさいことをやることなんですよ……』って、群衆が複雑に動き回るアニメを作りながら、そんなことを言ってて、なんか胸に刺さったけどな。井上雄彦もバガボンド描くとき、武蔵の表情が見つからないって言って壁に頭叩きつける勢いで悩んでたぜ? 俺はそんな人の作品を見たいけどね。そこまでじゃなくても、創り手の会心の出来だけを味わいたいかな。プロでもなんでもない素人の大量生産したものを見せられるなんて罰ゲーム以外のなんでもないわ。あと、お前はわかんないかもしれないけど、働いてるこっちはそんなにたくさんの作品を見る時間もないからね。ていうか、作品ですらないじゃん。お前のやってるのは。作品ってなんだよ(笑)。女の悪口書いてるだけじゃん(笑)」

しまるこ「わかるよ。だけど、そんな考えでいるから立ち止まってしまうんだ。そんなところをグルグル廻っても結局やらないで終わるだけだろ? 俺もそれでずいぶん時間の無駄をしたし、お前もわかっているはずだ。やらないよりはやった方がいいんだ。可能性の問題だ。どんな問題も『やる』か『やらない』かの2択しかないんだ。『やる』を採った以上は、どれだけ『やる』を継続させるかにシフトして考えるしかないんだ。そうでないと、次々と作品を量産する人間を眺めて終わるだけになってしまう」

友「まぁ、それで稼げるんだったら別にいいと思うけどね」

しまるこ「手塚治虫の一番すごいと思ったところは、小さい頃の画力向上方法だね。この人は漫画を読んだ後、それを見ないで自分で描くという方法をやっていたそうだ。独特の模写法だ。正確には模写じゃないかもしれない。それを繰り返すことで、自分の頭の中で映像を作る能力が出来上がってきて、あまり資料を見ないで頭にあるものを原稿に落とすことができた。速筆の人はみんなそうだ。鳥山明もそうだ。いちいち全てを見なければ描けない漫画家は非常に生産スピードが落ちる。

『これから絵の勉強をする人は、写真ではなく実物をよく観察して自分の家から学校や会社までに目に映る全てのものをなるべく記憶して書けるようにしなさい』

しまるこ「手塚治虫はこう言っている。俺はこの能力が漫画家になる上で一番重要なことだと思った。だからといって、今からそんな能力を身につけようというのは遅すぎる。鳥山明も『何でも描けなければいけません。描けなかったら諦めましょう』と言っている。今お前ができることをやればいいんだ。お前がよく知ってる題材を選べばいい」

友「なんで手塚治虫の話してんだよ。手塚治虫の100分の1でも稼いでから言えよ(笑)」

しまるこ「ブログはボール投げと一緒だよ。いかにフォームを洗練させて力を伝えられる投げ方を確立させることが大事なんだ。多くの人間は、あれが儲かるこれが儲かると左右して慌ただしく、いつも世の中に踊らされてばかりいる。自分が発信すべき内容もよくわかってないまま発信している。違うんだ。あくまで自分の心の内側を探求して、そこから答えを出すんだ。どうやったらもっと速く投げれるかって身体と相談するように、自分の力を邪魔しているものの正体を突き詰めるように、身体の声を確認しながら、一球一球丁寧に投げながらフィードバックを重ねていくんだ。最終的に全ての力の流れをコントロールしてビューンと大きく気持ちよくボールが伸びていけばそれに越したことはないんだ。それが全てなんだ」

しまるこ「ブログを書くということは、そういうことだよ。胸のつかえが取れるような、すーっと自分のエネルギーが消化されていくような、自分自身の内部のエネルギーが文章という媒介を通じてしっかり伸びやかに飛んでいくようなそういう心持ちを信条とするのが創作の正しい態度だよ。あれが儲かる、これが儲かるとか大してどうでもいいんだ。自分のエネルギーが100%になった素晴らしいものを打ち立てられれば、人はそれについてくる。ファンはそれを期待している。やはり体重だよ。作品に体重が乗っていなければならない。運動もすべて体重操作だ。ブログも運動も変わるものではない」

友「だからそれで食べていけんの?」

しまるこ「食べていけるよ」

友「どうやって?」

しまるこ「ふ(笑)」

しまるこ「生活コストを下げて週に2日アルバイトすれば食べていけるよ」

友「またそれか」

しまるこ「最悪、食べなくてもいいんだよ。世の中には『不食』で生きてる人がいるからね。俺もそれを目指している。不食さえ確立してしまえば経済的に困ることは無くなるからね。もちろん不食を本当に確立して、それを証明することができれば世間が放っておかないから、その時点で大金持ちだよ」

友「その話は勘弁して」

しまるこ「わかった」

しまるこ「お前は恵まれてるんだよ。理学療法士の資格があるから週2日訪問リハビリで働けば月給16万円になる。ほとんどの人間はアルバイトしたってせいぜい1日に1万2000円が限度だ。訪問リハビリなら日に2万は稼げる。16万っていったら介護士や保育士が毎日休まずに働いた月給となんにも変わらないんだ。月16万円だったら貯金も出来ちゃう。半永久的な夢追い装置の完成だ。世の中には既に結婚していたり車や家のローンがあったり、奨学金の返済を抱えたりしていて身動きが取れない人だっているんだ。都内で1人暮らしをしていて貯金が5桁しかない人もいるんだ。お前は恵まれているよ。そして、お前はこの不毛な社会の仕組みに気づいている。この気づきは気づける人にしか訪れない。気づけることはチャンスなんだ。ほとんどの人は自分が搾取されていることに気づかない」

友達「でも、気付いているからこそ苦しんでいるような気もするけど」

しまるこ「いつだってチャンスはピンチの裏側にあるんだ」

友「…………」

しまるこ「やっぱりすぐに見返りを求めてしまうのが良くないね。時給労働に慣れてしまって1時間働いたから1時間分の報酬が貰えないと満足できない体になってしまっている。時給脳だね。見返りは時間ではなく成果の対価でなければならない。いや、見返りはその行為自体にあるよ。ボール投げも思いっきり投げて自分の意図した運動と結果が得られれば気持ちいいだろ? 下手くそな投げ方だったら、いつまでたっても気持ちよくならないように、うまくできればそれだけで気持ちがいいもんだ。だから創作自体に見返りが含まれている。そう考えるしかないね。だから週2日だけ働きながら残りの5日はそんな風に過ごせばいいんだ。きっと楽しいよ。ダメだったらそのまま死ねばいいし、成功したら何の問題もないわけだ。例え成功しなくても好きなことをやり続けられることは幸せなことだよ。今のまま病院に勤めて結婚しても悩み続けることは確定しているんだから、こっちに来た方がいいよ。お前の言う見返りの切符くらいは用意されてるからね。そうすれば今お前が抱えてる悩みはなくなるよ。っていうかさ、訪問リハビリを週2日やれば月給16万円になるんだから、残りの5日は寝たり好きなことをやってればいいんだからこんな贅沢な話はないと思うんだけど(笑)」