ちんこが勃たない

 もし「文章を書くことが恋愛スキルを向上させる」と言ったら、多くの人は意味がわからないと言うだろう。
 文章を書くことは、その都度1回1回自分の心を空間や世界との距離を整理して、最適な言葉を綴っていく作業である。多くの確認や反省が必要とされて、心を静かにしなければできることではない。そうやって心の研鑽を積んでいくと、少しづつ澄んだ文章が書けるようになってくる。つまり、心の修養だ。心が鍛えられれば、恋愛や全ての物事においてとても役に立ってくる。
 だから、どんどん文章を書いたり、創作したり、運動しなければならない。相手を介さないものだとしても、芸事というものは自分を高めてくれる。恋愛にも応用できるものだ。いや、応用するものなのだ。家で引きこもってひたすら文章を書いているだけの人間でもモテるようになる。

 残念ながら俺のちんこは不良品で、どうでもいい時に勃つくせに肝心な時に勃たない。このせいで多くの被害に遭ってきた。
 線が細い中性的な美少年タイプは、セックスが弱くただの観賞用途に過ぎない。勃たなかったり精子が出なかったり、性における深刻な病気を持っていて、心に深い傷を負っている。女性ホルモンが多く、男と女の間を行き来する両生類。欠陥品なのだ。俺達のような美少年タイプはろくなセックスをしないせいか、マッチョに女を持ってかれてしまう。ジャニーズ好きな腐女子ですら、肉厚ハンバーガーのようなマッチョに一度抱かれると、二度とジャニーズのコンサートに行かなくなるものだし、美人ほどマッチョを求める。マイク・タイソンのような男に抱かれると、女は本能的に優れた男に抱かれていると思うらしい。
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 セックスが弱そうな男だろう。性の病気は人格を大いに捻じ曲げる。ロベスピエールのように狂いに狂って大粛清を起こしてしまうほどだ。俺もEDだからロベスピエール寄りの人間で、頭の中でいつも恐怖政治が行われている。
 3分の2の確率でいつも勃たない。深刻だろう? お互い裸で抱き合って前戯を済ませ、さぁ挿れようというときに入らないほど悲しいものはない。ただ抱き合って終わる。女の子が一生懸命勃たせようとしてくるとき(俺のためか? 自分のためか?)、とても惨めになる。もしビンビンのマッチョが乱入してきたら、彼女を譲って静かに立ち去るしかなくなる。そんな悲しいことを何度も経験してきた。いつもバイアグラを飲んでるけど効き目があるのかどうだかわからない。俺はセックスの時、いつもイヤラシイ目をしながら「いただきます」と言うけど、そんなことを言っておきながら盛大に食べ残すので、ご馳走さまは言えずに終わる。
 初めての相手とのセックスはだいたい勃たない。2回目3回目につれてようやく勃ってくる。これは慣れてきて勃つようになるのではなくて、一度失敗したのに、もう一回チャンスをくれたという安心感のおかげだと思う。この人は勃たなかった俺とまたセックスしてくれるんだぁとほっこりして勃つのだ。付き合っている彼女のように、何十回もやっている相手ならまぁまぁ勃つ。初めての相手だと勃たない。
 だから、やはり精神的なものだろう。なんとなく気後れしているというか、気持ちの面で負けてしまって、緊張しているから勃たないのだろう。あと、毎日思い切り握り締めるようにオナニーしているから、そのへんの膣圧じゃ満足できない身体になっていることもあるだろう。だから圧の強さを求めて19歳を求めてしまうのかもしれない。
 これは不思議なことだけど、小柄な女の子だと勃つ傾向がある。身長が140センチ台で体重も30キロ台の子ウサギのような相手だったら勃つ。しかし、自分より体重が重かったり、ふくよかな女だと勃たない。
 自分より圧倒的に小柄な人間だと、征服感というか、相手を制圧している感じがして心に余裕がでてくる。丸め込むように後ろから思いっきりガンガン腰を振れてしまう。これがふくよかな相手だとどうしても気後れしてしまって、積極的にいろんな体位も出来ない。どうしても重厚感に負けてしまう。腫れ物に触れるようなよそよそしいセックスになってしまう。これは俺だけなのか? それとも他の男にも当てはまるのか? 俺はEDの人の多くに当てはまると思うのだが。
 だから男はマッチョでなければならない。AV男優がマッチョなのにも理由がある。体格は大いに関係している。今の彼女は体重が50キロで俺は59キロなので、たった9キロしか違わない。破壊的なセックスをするには20キロ差は必要だろう。彼女の身長が156センチで俺が178センチだから、明らかに彼女の方が肉の膨隆感はある。俺の方が身長がある分体重を稼いでいるだけだ。一つ一つの腕だったり腿の周径はあまり変わらない。
 だから、気後れしてしまって、いろんな体位でガツガツやれずにいる。彼女を軽々持ち上げられるようなら簡単に勃つと思う。ある日、あまりにも勃たなくて、1時間ぐらいずっと勃たなくて、やべえなぁ……と本気で困っていて、苦肉の策で、なんとなくギュウ……! と、破壊するようなつもりで彼女を抱きしめたら、全てをぶち壊したような感覚があった。俺と彼女の間にある精神的な壁が破壊されたような感覚があった。そしてビンビンに勃った。
 俺の体が膨隆したわけでも彼女の体が小さくなったわけでもない。思い切り抱きしめることで精神的に彼女を制圧することに成功した気がした。そのまま殺す勢いで抱きしめていたら、さらに硬度は増していった。これまで彼女を人間だと思ってどこか辟易していたけど、蚊やアメンボのように感じた。そして俺に最高の思想が降った。
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 どこか相手におどおどしたり、人間に感じたり、気後れするようなものがあったらダメだ。勃つとか勃たない以前に、女といるときの心的態度として間違っているのである。セックスに限らず、女は制圧しなければならない。精神的に全て包み込んで完全に掌握してしまう。女もそれを望んでいる。肉体的にも精神的にもマッチョを望んでいる。「自分は優しい系でいく」は逃げだ。マッチョになれない言い訳だ。どうせ家に帰ったらマッチョの悪口を言うんだろう? 
 女は頭から爪先まで支配されるのを望んでいる。ほとんどの男がモテないのは、みんな大人しくて行儀がいいからである。何か言っても丁寧な受け答えや愛想笑いや、語尾に「〜〜だね」とか、おかまっぽい口調で話すからモテない。初めて会う女にも、セックスしている態度で話さなければならない。見上げてはいけないし、横並びの感覚でもいけない。そんな感覚でいるから負けてしまう。
 こんなことを言うとオラオラ系を勧めているのかと思われるかもしれないが、オラオラ系ではない。オラオラ系は自分の熱気を鼓舞させているに過ぎない。常に自分の心の中をかき乱して落ち着きがなく、心底にある弱気な自分に主導権を渡しておきながら表面的に強がっているに過ぎない。そういう心の焦りは透けて見えてしまうものである。そうではなく、既に攻略したような心持ちでなければならない。顔射やアナルセックスやイマラチオを既に終えた後の心持ちで初対面の女にぶつかるのだ。
 女といる時のソワソワした気持ちをひとつ残らず破壊しなければならない。そのソワソワした感じが女から嫌われる。あなた自身もそんな自分が嫌だろう。それを越えられないから「優しい系でいく」とか言い出すのだ。普段の瞑想を通して心を破壊しなければならない。そうすればどんなに可愛い女が目の前に現れても自然体でいられる。顔射をし終えたような悠然とした態度でいられる。女が全員白い布を被っているようにしか見えなくなるだろう。ソワソワしているからモテない。そして勃たないのだ。1度長く女と付き合ったり、恋愛経験が多い人間は何歳になってもモテるように、その理由はソワソワしたところがないからだ。女という生き物に慣れていて心がソワソワしないためだ。
 だから、いくら知識でモテるテクニックを身につけたとしても、心の方が未熟だとモテない。ある一流ホストが女にモテるためには何が必要かと問われた時「自信」と答えていた。仕事もそうだ。すべてそうだ。結局「自信」だ。
 今彼女がいる人はその彼女を使ってどんどん自分の弱い心を壊していって自信をつけることだ。彼女がいない人は出会い系で女と会って心を壊すことだ。また、創作活動や運動や瞑想を通じて、一つ一つ心を壊していけばいいのだ。芸事はそのためにある。心を破壊しなさい。