実習先の病院で『まったく働かない、本当に、まったく働かない作業療法士達がいた』という事実


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 理学療法士の実習ほどばかばかしい遊戯はない。誰も得をしない。多くの生徒が精神を病んでリタイアする。囚人と刑務官の関係のように、指導するものとされるものという二極がはっきりされると、ものの1日や2日で虐待が始まる。
 俺は常識というものを身につけられないまま大人になってしまった。今でも20歳の子ができるようなことができない。
 ある実習で、雪の日にドロドロでビチャビチャの靴のままリハビリ室に入っていったら、「何してんの!? 床がびしょびしょになってるよ!? 患者さんが滑って怪我したらどうすんの!? 君、そんなこともわからないの!?」と怒鳴られてしまったことがある。
 患者さん情報を、新しい紙に新しく記入するのが面倒くさかったから、もう用が済んだ患者さんの名前に斜線を入れて、その上に新しい患者さんの名前を書いて提出したときは、学校の担任に報告された。

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 まぁ今回の記事は、実習でやらかしたミスの話ではない。実習先の病院の作業療法士達が本当に全く何も働かないという恐ろしいものを目にしたことがあったので、その話だ。
 なぜこんなことを一生懸命書こうというのか? 世の中には毎日1日10時間以上立ちっぱなしで足のサロンパス代もバカにならない人がいる中で、全く何も働かなくても許される職場があるという事実がある。それはあまりにも恐ろしく、世の中に出ていかなければならない情報だと思うのだ。本当に1分も2分も働かないということは、すごいことだと思わないだろうか?
 基本的に理学療法士や作業療法士というものは通りすがりのサラリーマンでもできる仕事ではある。学校で難しいぶったこと3年習わされ、国家試験まで用意されているが、これはあまりにも簡単になられてしまうと自分達の権威が失われてしまうのを恐れるためである。だから実習に来た生徒を一生懸命いじめてリタイアに追い込むのである。

 実習先の病院で、作業療法士の女がいた。年は40歳くらい。いつも生理臭くて、気分が悪そうで、肛門をギュッと締めていなければ羊水が溢れ落ちてしまいそうなオバさんだった。不機嫌で、人間や世の中の嫌な部分しか見えていそうになかった。いつも何かに怒ってばかりいた。小柄で細くて蹴っ飛ばしたら簡単に3メートルはふっ飛びそうだった。この人は全く仕事をしなかった。例えではなく比喩ではなく、一日中全く仕事をしなかった。ずっとリハビリ室にこもって会議しているのである。会議というより悪口であるが。
 作業療法士は3人いて、残りの2人も似たような感じだから、説明は割愛する。この女が三匹いると思えばいい。この三匹がリハビリ室でずっとリーダーの悪口を言っているのである。
 リハビリ科は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がそれぞれいるが、リーダーは理学療法士だった。リーダーはどんな人間かというと、40歳のハゲた飄々とした男である。非常に色が黒く、海が大好きで、子供を連れてよく海にばっか行っている。いつも大声でハイテンションで楽しくて愉快な人だった。185センチで体重も80キロあって大柄だった。仕事もこなすが、ジムで体を鍛えることや趣味のバレーボールの方がずっと楽しそうだった。基本的に頭が良くて物知りで色んな分野に精通していて、医学や政治経済、最近のコンピュータについてよく俺と議論した。理学療法の話しより日本と中国のIT機器の違いなどについてよく話し合った。何も知らないことがなさそうだった。いつも全ての仕事を抱えていた。患者さんへのおもてなしで、リハビリ室でカラオケ大会をやることになったが、選曲から機材の導入、全ての準備を一人でやってしまう人だった。
 しかし周りからはすこぶる悪評が絶えない人だった。こういったことは他人の仕事を奪っているとも言えなくもなく、ほとんどこのリーダーが全部やってしまうので、他の人は何もしないで座ってもいい空気が常にあった。カラオケだけでなくリハビリや全ての仕事に関して同じことが言えた。非常に行動力があって、色黒でやんちゃ坊主がそのまま大きくなったような感じだった。いつも自分が職場の大黒柱であり、自分がすべてを廻しているという顔をしていた。アメリカンジョークみたいなことを言って、ユーモアも得意ですみたいな顔をしていた。しかしリーダーのジョークで誰かが笑ったのを一度も見たことはなかった。それでもリーダーは毎日つまらないアメリカンジョークを繰り返していた。
 ここの職場はいつもリーダーの悪口ばかりだった。
 リハビリスタッフは10人ぐらいいた、理学療法士が4人。作業療法士が3人。言語聴覚士が3人だった。事務のおばさんも1人いる。それぞれにリハビリ室が与えられているので、全部で3つリハビリ室があることになる。基本的には理学療法士のリハビリ室が一番偉くて大きくて中心的な場ではあった。

 問題なのは、3人のアラフォー作業療法士達だ。ある日、こんなことがあった。リーダーがエアーガンを職場に持ってきて、それを理学療法のリハビリ室に飾っていた。リーダー不在時に、それを見た作業療法の女が、「患者さんの刺激になって困るので持ち帰ってください」と赤い文字で書かれた紙をエアーガンに貼って、リーダーのロッカーの中に放り込んでいた。
 そして、翌日、リーダーは今度はスターウォーズのライトセーバーを持ってきて、またリハビリ室に置いていた。これは別に作業療法士の女に喧嘩売っているわけではなくて、本当にそういうことがわからない人だったのだ。空気が読めない人だった。別に俺はリハビリ室にエアーガンが置いてあったり、ライトセーバーが置いてあっても構わない。大砲が二つ三つ置いてあったって気にしないが、作業療法士の女が嫌がることぐらいは想像できた。患者さんを平気で理由に使うことの方が悪質に思えた。いつも生理臭い不機嫌な顔をして仕事をされる方がよほど嫌だった。
 昨日、当てつけのように悪意のこもった赤い文字で書かれたばかりなのに、なんでこの人は気づかないんだろう? と不思議でしょうがなかった。なぜエアーガンがダメで、ライトセーバーならいいと思ったんだろう? ていうか、ライトセーバーは一体何の為に持ってきたんだろう?
「しまるこくん、これめっちゃかっこよくない?」
「かっこいいっすね」
「これリハ室に飾っちゃおうか?」
「そっすね!」
 俺はまた作業療法士達が荒れることはわかっていたけど、ライトセーバーの誕生に賛成した。何の為にもってくるのかはわからなかったけど、ライトセーバーがリハビリ室に飾られてあるのは面白かった。
 リーダーはよく訪問のリハビリの外回りが多いので、リハビリ室にいないことが多かった。
 リーダーがいないくなると、作業療法士達は自分達の小さな基地から飛び出してきて、大きくてお茶会のしがいがある理学療法士のリハビリ室へ、両手で抱えきれない程のお茶とお菓子を持ってやってきた。
「ねえ、これなに?」
「わかんなーい」
「スター・ウォーズ?」
「なんであのハゲ、毎日こんなの持ってくんの?」
「バカなんじゃない?」
 そう言って一人の作業療法士がライトセーバーを手に持って振ったりしていた。そしてソードの柄の部分にボタンを押すと「テゥルー! テゥルー!」と変な音がして、等身がキラキラ赤く光った。
 そして、なんと、ライトセーバーを分解し始めた。
「盗聴器は入ってないみたい」
「そう、ならよかった」
(盗聴器……?)
 俺が不思議な言葉に戸惑っていると、側にいた理学療法士の先生が、
「ああ、しまるこ君は知らないだろうけどね。リーダーが持ってくる物には盗聴器やカメラが仕掛けられてることがあるんだよ」
「え?」
「いや、ホントなんだよ。リーダーもああ見えて自分がどう思われているか気になるようで、自分のいないところでみんなが話している様子を盗聴しようとするんだよ」
「え? やばくないすか? なんですかそれ」
「ずっと前にね、リーダーが変なおもちゃを持ってきてリハ室に放置したんだけど、なんとなく僕達がそれを分解したみたら、盗聴器らしきものが発見されたんだ。でも『らしい』だけで完全に盗聴器だと判明したわけじゃないんだよね。僕達もあまりおもちゃのことは詳しくわからないしね。問い詰めるのもあれだし、リーダーは口が上手いから言い逃れも用意しているだろうしね」
「へぇ……」
 そして、作業療法士達はライトセーバーにまた赤いペン文字で『患者さんが嫌がっているので持ち帰ってください』と書き残し、リーダーのロッカーの中に放り込んでいた(どこにも患者さんはいなかったが)。

 リハビリという仕事の面白いところは、病院によるのだが、朝の10時から仕事が開始されるところだ。9時にみんな集まって掃除をして、9時30分過ぎに朝礼や会議をして、10時になってやっと仕事をやり出す。途中、1時間の昼休憩を挟み、昼の15時には仕事を終える。15時になると、その日のリハビリ記録をカルテに書く。日報などの事務仕事もこの時間に行う。つまり実労働時間は3時間くらいだろうか?
 とてもゆっくりべらべら話しながらリハビリ室でカルテを書く。15時から16時半過ぎまではずっとそんな調子だった。ずっとテレビの話や釣りの話をしながら事務仕事をやっている。理学療法の話をすることはなかった。大体15分もあれば片付く仕事だった。16時40分にはもう着替えを済ませ、17時には戸締りをして帰る。
 12時から13時は昼休憩なので、みんなリハビリ室のマッサージ用のベッドに仲良く並んで寝る。食堂でみんなでラーメンやハンバーグ定食を食べる、みんなで一日中一緒にダラダラしてダラダラ食ってダラダラ寝るということをしている。
 理学療法士の話は禁忌。競争意識はご法度。病原菌やウイルスよりも、「覇気」や「高い意識」を持ち込む方がよくないとされている。これはどこの病院でも同じだ。理学療法士の職場は理学療法についての話し合いがいっぱいされるんだろうと思うかもしれないが、そんなことはない。禁忌なのだ。お互い、つまらないことには触れずにダラダラや りましょうという鉄の暗黙が交わされている。しかし実習生相手にはとことん自分の知識をひけらかして罵倒する。実習中止に追い込もうとする。理学療法士が増えると自分の賃金や専門性が薄くなってくるからである。そのくせ、お互いが先生と呼び合っている。不思議な職業だ。
 しかし職場内結婚はとても多い。資格持ちだし、母体は病院だから安定しているように感じるんだろう。どう見ても仕事ぶりはカッコ悪いとしか思えないが、お互い様ということで済ましているのだろうか? 二人で適当な仕事をして、それを見せて見せあって、家に帰って何を話すというのだろう?
 病院によるが、ここの病院の実労働はだいたい3時間だった。病室からまた病室へ、前から誰かに押されているかのように非常にゆっくり歩くので、移動時間を抜かせば1日2時間しか働いていないかもしれない。理学療法士を目指す若者が増えてきているようだが、このような病院に勤めると楽ができる。俺もここの病院に就職したかったけど、実習生なのに、朝、一番最後にやってきて、掃除に間に合わなかったり、昼休みは車の中でタバコを吸っていたり、そんなことばかりしていたら、ある日関係ない事務のババアに呼び出されて物凄い剣幕で怒られてしまって、とても就職したいなんて言えなくなってしまった。


 さて、なぜ作業療法士のおばさん達は働かないのか?
 まず、リーダーが先程のような性格の通り、非常に舐められている。リーダーに怒られることを屁とも思っていない。
 職務上の性格からして無駄に専門職風であり、個人の裁量がかなり許されている。今日はこの患者さんはやらない方がいいと言えばそうなる。この人はこの前に筋力トレーニングをやったので、今日は休ませた方がいいとかの理由で許される。
 また、それぞれのリハビリ室の中で固まって何をしているのかよく分からないので、一つ科や階層が違えば、外部は何も言えない空気があった。
 そして病院側もあまりリハビリの成果を期待していないというところだ。基本的にリハビリ科というのはどこの病院も赤字かトントンである。病院は基本的に薬で稼いでいる。透析をやっている病院は非常に儲かる。
 しかし、もちろん決められた単位数というものがある、リハビリというものは、基本的に1日に18単位やらなければならないという決まりがある。これは病院によって変わるかもしれない。16単位のところもあれば17単位もところもあるが、大体それぐらいやらなければいけない。1単位30分なので7時間はやらなきゃいけない計算になるのだが、作業療法士達は7時間どころか7分もやっていない。
 リーダーはもちろん上から「単位が足りてないよ」と怒られるので、「単位が足りないからやってください」と作業療法士達にお説教をするのだが、作業療法士達は言うことを聞かない。不機嫌な顔をしてシカトするだけである。
 どれだけ腹を立てても作業療法士達は直接リーダーと話し合うことはしない。リーダーの1つ上の部長クラスの人間に抗議しに行くのである。「部長聞いてください! リーダーってば、子供を連れて海に遊びに急に休んだりするんですよ! リーダーがこんなのだから、私達とても仕事できません!」などと言ったりする。この人達に比べればリーダーの方がずっと働いている。他の病院の理学療法士よりは明らかに働いていないけど、少なくともこのおばさん達よりずっと働いている。自分は全く働かないくせに、よく回る口だった。よく正義を盾にできるものだなと思った。部長らしき人もおばさん達に言い負かされて「うん、うん、そうですね、わかりますけどね、はぁ……」といった感じで押し負けていた。
 これはどこの会社でも言えることだけど、この手の口うるさい愚痴愚痴した女が束になると恐ろしい力を持つ。上の権限を持つ人でもなかなか怒れなかったりする。スーパーのパートのおばちゃん達が束になってストライキを起こしているのを想像してくれればいい。孫さんだったらどうするんだろう?
 リーダーは快活そうに見えて、自分がいない所で何を話されているのかとても気にしていた。実習生は一日の終わりにバイザーと反省会をする。俺のバイザーはリーダーだったので、いつもリーダーと話し合いをしていた。もちろん実習のフィードバックだから、理学療法について話し合うための時間なのだが、理学療法の話などしたことはなかった。リーダーはいつも「しまるこ君、みんな俺のことなんか言ってなかった?」と聞いてきた。そして俺も話せることは話した。俺は暇だったから余計職場を荒らすような働きをした。そして他の先生達がリーダーの悪口を言っているときは一緒にヘラヘラ悪口を言っていた。
 作業療法士のババア達は、俺にも態度が強かった。俺がリーダーの後をついてばかりいたからだろうか? 作業療法士のババアにリハビリのことで質問しなければならないことがあって、質問したら、「○○検査法がわからない? そんなの調べればネットでもどこでもすぐに見つかる事だから、調べもしないことを聞いてくるんですね〜」と言われた。なんでこういう言い方するんだろうと思った。そう思ったなら、「調べてから質問しなくてはいけませんよ」と言えばいいだけだ。わざわざ棘を装飾する必要はない。まぁ、確かに全く調べないで質問したけど(笑)
 こういうところがこの人の独身たる理由なんだろうと思った。悪意を振り上げても構わない人間が目の前にいれば、積極的に悪意ぶつける。可愛くない人間だ。人間は可愛ければ大抵はうまくいくというのに。
 この人達の家に帰ってからの生活も想像できた。こたつでみかん食ってケツをポリポリ掻きながらアメトークを見ているんだろう。そして急に、この先私はどうなるんだろう? と老後の不安が押し寄せてきて、それでも結婚しないメリットを一つ一つ頭で反芻して安心付けている。アメトークを見ながら、そんなことを考えていると、ピンポンとベルが鳴って訪問のNHKがやってきて、「私テレビなんて持ってませんから!!」と、キイキイ音を立てる。やはり悪意をぶつけられそうなチャンスがあればぶつけにいく。ストライカーだ。仕事では何も稼がないけど。

 リーダーは普段あまり怒らなかったが、自分を通り越えて上層部にクレームをされることには怒っていた。
「自分がいないところでそういう話し合いをするのはやめてください! 組織としての体が成り立っていません! 何かあったら自分に言ってください!」
 毎日のように作業療法士達は上層部にクレームを言いに行き、そして上層部から注意を受けたリーダーは朝礼で部下達を叱っていた。朝礼は毎朝こんな感じだった。怒られても、作業療法士達は不満な顔をして黙っていた。
 リーダーが訪問に出ていった数分後に、作業療法士達が理学療法のリハビリ室へやってきた。わざわざここまでくるのは、大きなテーブルがあってお菓子を広げやすいからだ。
「なんで私が怒られなきゃいけないのよ! おかしいよね!!」
「何か言いたいことがあるなら俺に言えっていうけどさ、お前に文句があるんだよ! 本人に言えるわけねーだろ! だから私達は上の人間に言ったのに! 馬鹿じゃないのあいつ?」
「いいよいいよそんなの止めて、山本君もこっち来てお菓子食べなよ〜」
「は、はぁ……」
近くにいた25歳の若い理学療法士までも巻き込む。もちろん仕事中だ。
 この人達は他人まで巻き込もうとする。若い理学療法士も新人だから首を横には触れない。こうやって負が連鎖していく。悪い職場が形成されていく。俺は「座りなよ」と声をかけてもらえないから、仕方なく遠くの方で掃除をしながら聞き耳を立てていた。
 気づけば事務の女もひょっこり座っていた。そうやって次々と集まり、リハビリ室では8名くらいが晩餐会をしていた。まるであの有名な絵画のような構図だった。
「そういえば、冷蔵庫にスイカあったよねー?」
「今度のバーベキューみんな行く?」
「行くー!」
「リハ科だけなんですよね?」
「総務の宮下ちゃんと、レントゲン技師の河本ちゃんもリーダーが声かけたみたいよ」
「はぁ……!?」
 名前に挙がった2人は、どちらも学校を出たばかりの22歳の女の子だった。
「なんで!? おかしくない? なんでその子達だけ!? いっぱい人いんのに、なんでその子達だけ誘うの!?」
「B練の斉藤さんにあれだけいつもお世話になってるのに、斉藤さんは誘わないわけ?」
「斉藤さん、男だしねぇ……(笑)」
「マジでうけるんだけど! これだけ色んな人達がいる中でさ、若くて可愛い女の子2人だけを誘うってすごくない? 本当やり方が下手っていうか、狙いバレバレじゃん! 誘いたいならもっとうまく誘えよ!(笑) マジで心臓強すぎ! 他の科の人達も誘った上でその2人を誘うならわかるよ? その2人だけを誘うって頭おかしいんじゃないの??(笑) 一体なぜ? どういう経緯でこの2人だけを誘ったんですかって聞かれたら、あいつなんて答えんの?」
「ていうか、本来これリハビリ科だけのBBQじゃん。私達に何の断りもなく他の科の人を誘うことが既におかしくね?」
「せめてさぁ……、自分とその2人の子達だけでご飯食べに行くんならわかるけど、私達もいるんだよ?? 私達がいる前で口説こうとしてんの??(笑)」
「リーダーもう40でしょ? 相手にされるわけないじゃん」
「いやいや、あの人まだイケると思ってるよ? 身体めっちゃ鍛えてるからねぇ、AVみたいな身体してるよね。一生現役ですみたいな身体してホントムリ」
「あの身体見てるだけでヤラれてる気分になるよね」
「休憩中もさぁ、このクソ暑い中にずっとベランダのハンモックで揺れてるんだよ?」
「あれホントウケるよねー」
「あのハンモック超邪魔」
「日焼けしたいんだろうねぇ、あれでしょ? オラオラ系目指してるんでしょ? 日サロ行けよ」
「見てるだけで暑いよね」
「あー、この会話も盗聴器で聞かれてんじゃねー?」
「ギャハハハハ! 別によくね?」
「おーい、ハゲ聴いてっか〜〜?」
「「「ギャハハハハ!!!」」」

 

 実習の2ヶ月間。いつもいつもこんな光景が流れていた。